My NIKKI

1996年生まれ。

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フィリピンでの2ヶ月を振り返って-まとめ-

今日はわたしの最後のインターンの日。そして明日は母国へ変える時。子供達に手を振って、その背中を眺めながら、それを振り切ってドアを閉めた時、涙が止まらなかった。わたしの大学一年の春、2ヶ月間のインターンが終了した。この幸せな時間は終わりを遂げ、わたしはこれから前を向かなければならない。ここでの別れはわたしにとっての始まりの一歩でもあった。日本に帰ってから、そこからが自分との戦いだし、その先にある辛い現実を乗り越えていかなければ、きっと自分の望む世界を見ることはできないとわかっていたから。ブログを書きながらも、なかなかこの涙を抑えることはできない。いつだって出会うのは簡単だけど、別れるのは難しい。そして自分自身と向き合うのも難しい。

 

幸せな時間

この2ヶ月間は本当に幸せな時間だった。毎日が新鮮で、笑顔に溢れていた。当然嫌なことだってあったけれど、人の温かさに勝るものはなにもない。時間は風のように過ぎていった。学校の卒業式でも泣いたことのないわたしにとって、人との別れで泣いたのははじめてだろうか。子供達もこんなわたしの別れのために涙を流してくれた。わたしなんかちっともたいしたことはしていないのに、、、本当にありがとう。
あー、終わっちゃうんだなー。って何度もおもいながら、それでもなかなかわかない実感。直ぐそこにまだ子供達がいるような気がして、まだ声は頭の中に残っている。なんでだろう、国が違うからだろうか、彼らの生活環境が違うからだろうか、自分の決意が信じられないからだろうか、心残りがまだたくさん残っているからだろうか、なんだかとても遠くなってしまうようで、、。でも、それだけこの経験が自分にとって大きかった証拠なんだと思う。ここに残りたい。そう強く思えて本当に良かった。

 

行ってみて初めてわかること

もとはと言えば、本当に小さな興味から始まったこの研修。そもそも私は貧困問題に興味なんてあまりなかったし、フィリピンといえばスモーキーマウンテンがやばいってことぐらいしか知らなかった。3年前に閉鎖されてるけど、どうなんだろう?と。それぐらいしか情報はわからなかったし、フィリピンのトンドに関する日本の情報が少ないということもあるけれど、あまり興味は持っていなかった。どこのNGOに行くかってなった時、ストリートチルドレンが沢山いる場所をお願いしますって話して、たまたま紹介されたのが、Young Focusだった。今になれば、どこにだってストリートチルドレンはいるよって思うのだけれど、本当にこのNGOを選んでくれたことには感謝している。最初はトンドって聞いて、「やばくね、危ないな」とか思ってたけれど、やっぱり行ってみないと分からないもので今となれば別にそんなに悪いところじゃないよ?って言うのが私の答え。

 

私たちが研修を行ったのはトンドのtemporaryという場所。なぜtemporaryと言うのかと言うと、もともとスモーキーマウンテンを閉鎖させるために、そこに住んでいた人を一時的に移動させるという意味で建てられたから。上空から見るとまるで収容所のようになっているけれど、中の環境はかなり劣悪で小さい部屋に小分けされていて、そこに1世帯ずつ住んでいる。まだ建設されてからあまり経っていないのだろけれど、既に屋根がなかったり、ぐずれ落ちていたりする場所もある。明らかにここだけでは人が収まらない。スモーキーマウンテンを閉鎖したからといって、現状スカベンジャーはそのままで、何も変わらない現状があることも分かった。訪れた最初はちょっと不安であったけれど、今となっては懐かしさを感じるぐらい。みんな親切に迎え入れてくれたし、お母さん達と話したりもして、本当に温かみのある場所だった。

この記事で場所は説明しています。

 

naoto2527.hatenablog.com

 

見ただけで終わりたくない

でも、ここで思ったのはただ見ただけ、社会見学では終わりたくないこと。ここには、私たち以外にも結構たくさんの外国人が訪れるらしかった。私のことをみて、コリアン?って聞く人はたくさんいた。逆にジャパニーズ?って聞かれたのは一度もなかったから、悔しさを感じたぐらいだ。私は日本人なんだなーっとその時に思った笑。そんな感じでたくさんの外国人が訪れる割には解決しない問題。私もきっと彼らにとってはここに来た訪問者の1人なのだろう。また見に来たのか?そういった感じで思われているような気もした。

 

でも、私はそうみられただけで終わりたくない。いつかこの街を変えたい。そう強く思ったし、最後のメッセージで子供たちに伝える言葉もそれにした。どれぐらい伝わったのかはわからない。子供たちに努力しろと言葉で言っても意味はなくて、やはり行動でみせなければそれは伝わらないのかもしれないけれど、一人でも信じてくれる人がいるなら救われる気がする。

 

何を残せたのか

何を残せたのか。それはずっと意識していたことだった。英語の本を作成したり、本棚作ったり、マナーを作成したりした。子供たちに学校に行く大切さとか、勉強が楽しいと思ってもらえるようなプレゼンを作ったりもして、少しは残せたものがあったかもしれない。でも、根本的な解決には全く手も届かなかった。問題は予想以上に大きかったし、何よりも人の心を変えることが最も難しかった。フィリピンにだって日本と同じように、勉強が好きな子もいれば嫌いな子もいる。学校に行く文化がない分、その文化をまずは作ることから始めなければならない。正直、自分のやろうとしているのが、正しいかどうかなんてわからない。でも動かなければここに来た意味はないし、本当に後悔をするとおもったから、『少しでもプラスになることをしよう。』という気持ちでとにかく手を動かすことにした2ヶ月だった気がする。

 

自分にできないことなんてない

彼らにできて、自分にできないことなんてない。これは私がこの研修を通して強く思ったこと。スラムではどんなに努力をしたくても出来ない状況が生まれてしまう。それに比べれば先進国のごく普通の一般的な家庭に育った私は、努力さえすればなんだって出来る環境に置かれている。じゃあ挑戦するしかないなーと感じた。

 

これから

振り返ることのできないぐらい忙しい毎日だったけど、あえて一言でまとめるならば、今回の経験は''自分の進むべき道を示してくれたもの,,だったんじゃないかと思う。ここの子ども達は自分達のことを愛してくれた。そしてわたし自身もここにいる子ども達が本当に好きだった。この好きという感情がわたし自身を動かしてくれる。好きだから頑張れる。これが本質なのかもしれない。

これからどうするのかってところですが、基本的にそこまで先のことは考えていません。でも、今までお世話になっていた学生団体はやめることにしました。理由としては、これから自分自身のやりたいことにもっと時間をかけて行きたいと感じたからです。しかし、ここに来れたのもその団体のおかげだったので、とても感謝しています。いくら感謝をしてもしきれないような居心地のいい場所でした。馬鹿なことばかりをしている私をいつも受け入れてくれてありがとう。これから一人でご飯食べたりするのは少し寂しくなっちゃうんですけど、それぐらい我慢しないと。新しい仲間もたくさん探して行きたいです。

 

そして、いま考えている計画では、temporaryに住む子ども達が勉強をするための自習室をつくるために、資金集めを行っていこうと考えています。手段としては、一般的な募金活動とクラウドファンディングを行うことで実現していきたいです。また、わたしのNGOは文房具不足がかなり深刻だったので、日本の学校に訪問して文房具を集めることで、それをトンドに送りたいと考えています。名付けて『Change TONDO From JAPAN』プロジェクト。なんちゃって。日本にももっと寄付の文化、ボランティアの文化を作っていきたいですね。このほかにも考えたら自分のできることってたくさんあると思います。日本語のfacebookページを作ったりするのもいいかもしれません。取り組めることはなるべくやっていきます。

もし、協力してくれる人とかがいたらありがたいです^^。気軽に声をかけてくださいね。

 

 

最後になりますが、このインターンに来れたことは自分にとって本当に貴重な経験となりました。ブログを読んでくれた人を始め、家族、その他私を支えてくれた全ての人に感謝しています。本当にありがとうございました。

次にここを訪れる時は、『必ずここをもっといい街にする』そんな意気込みでこれから頑張っていきます。

 

研修まとめ動画!!

 


Our Internship in Tondo Philippines

 

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