カンボジアはまだ、貧しかった。
今は、ラオスパクセ行きのバスの中、天気の関係から私は当初予定をしていたタイではなく、北上してラオスへいくことに決めた。
カンボジアには5日ほどしか滞在はしていないが、プノンペン→シェムリアップ→パクセーといくため、カンボジア国内は広く回った。
カンボジアでは、どこでも同じような景色がただひたすらと見える。
まだこの国には何もない。
カンボジアはものの不足がひどかった。
友達からカンボジアは物価が高いと聞いていたが、それは本当だった。
一見、一人あたりGDPから見るとカンボジアは東南アジアのなかでもっとも低い。GDPが低いということは、給料が低いということだ。だから、物価も低い。というのが、当時の未熟な私の考え方であった。
しかし、その考え方は間違っていた。
カンボジアでは、国内の物のほとんどが輸入に頼っている。スーパーに行ってもそれはすぐにわかる。ほとんどがタイを中心とした別の国からの輸入商品である。
そもそも、自国に工場すら持たないのだ。
だから、物価は非常に高くなる。国民の収入は低いのに物価は非常に高い。この国は大きな矛盾を抱えていた。
さらに、学校に行けない子ども達もたくさんいた。
夜のケンタッキーで寝る子どもの姿を見たのは、久しぶりだった。
ココナッツ一つ、1ドルで買った時の家族の喜ぶ様子が目に焼きついた。
子どもが商品を持ってきて、その商品とチューイングガムを交換してくれ、と言われた時言葉を聞いて心が痛くなった。
みな、生きるのに必死だった。
確かに、都市部に行けばその発展をかいま見ることもできるが、それでもこの国はまだまだ貧しかった。
シェムリアップの遺産を見て、以前この国にもこんなに繁栄を極めた時代があったのかと、驚かされた。
この遺跡は、カンボジアという国の潜在能力を私たちに教えてくれる。
カンボジアは、これからまだまだ発展していくだろう。
まだまだ先は長そうだが、この国の将来に期待をしつつ、出国したいと思う。
来た甲斐があった。
またいつか、戻ってこよう。